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【研修】北陸地域における女性活躍推進を通じた地域活性化について

北陸地域連携プラットフォーム講演会「北陸地域における女性活躍推進を通じた地域活性化について」をwebで受講しました。

特に北陸地域の話なので興味を持って聴講しました。

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基調講演①「男女共同参画の現状と女性版骨太の方針2023について」内閣府男女共同参画局推進課長 上田真由美氏

基調講演①男女共同参画の現状と女性版骨太の方針2023について(最終版)

最初に統計データの紹介がありました。女性就業者数は、この10年で約370万に増加しています。一方で、民間企業における管理職相当の女性割合は近年上昇傾向にあるものの、上位の役職ほど割合が低くなっています。日本の女性役員比率は過去約10年間で徐々に上昇してきているものの、日本を除くG7諸国やOECD諸国の平均とのギャップは依然として大きくなっています。

北陸に目を向けると、女性の35~38歳の労働力率は80.00%以上と高いものの、管理的職業従事者に占める女性の割合は、全国平均が14.8%であるところ、石川県は15位で16.2%、富山県は44位で10.7%、福井県は9.0%と低くなっています。働いている女性は多いものの、管理職的なポジションにいるケースが少ないということでしょうか。北陸経済連合会の調査結果では、勤務先における性別役割分担について、来客対応などの庶務では、首都圏女性より、北陸女性の方が多く役割を担っていることが分かったそうです。

国内外の証券取引所における女性の活躍に関するルールが定められており、「役員の多様性」として国によりますが、女性、外国人、少数民族出身、人種マイノリティーやLGBTQ+の採用を求めるようになっています。様々な調査結果から、企業が女性活躍に取り組むことのメリットを示す分析結果が得られているそうです(投資判断、PBRの平均値、自己資本比率、EBITマージン、株価パフォーマンスなど)。

しかし、女性はライフイベントにおいて、キャリア形成の足踏みを強いられる場面があります。いわゆる結婚、出産による退職、育児の時期における非正規雇用選択などがあります。男女間ににおける賃金格差もOECD諸国と比較しても大きい状況にあります。このような差が生まれる要因としては「役職」「勤続年数」が大きいようです。

どうしてこういうことになるのでしょうか??

諸外国と比較し、日本は男女ともに総労働時間(有償労働時間と無償労働時間の合計時間)が長いそうです。なるほど、働きすぎか。

・有償労働時間(「有償労働(すべての仕事)」「通勤・通学」「授業や講義・学校での活動等」「調査・宿題」「求職活動」「その他の有償労働・学業関連行動」)の男女比を見ると、日本は1.7倍と、諸外国と比べて男女比が大きい。
・無償労働時間(「日常の家事」「買い物」「世帯員のケア」「非世帯員のケア」「ボランティア活動」「家事関連活動のための移動」「その他の無償労働」)の男女比を見ると、日本は5.5倍と、諸外国と比べて男女比が大きい。

ようは、家事育児などの無償労働にかかる時間が女性は多いということですね。いっぱい働いているのに、まだ働けというのか??という感じですね💦。

こういう構造を変えていけるように、女性の経済的自立(=女性活躍の基盤)が日本経済の持続的な成長につながるというお話でした。


基調講演②「女性が活躍してくれる『10の方法』~女性活躍と地域経済~」金沢工業大学 産学連携室 大砂雅子教授

基調講演②女性が活躍してくれる『10の方法』ー女性活躍と地域経済ー

タイトルがいいですね!「活躍してくれる!」。先生のキャリアがすごくてびっくりしました。今はお孫さんの世話をしながら、大学教授と企業の社外取締役をされていますが(それもすごいですが)、子育てをしながら海外でキャリアを積み上げ、かっこいい女性です。いろいろ課題を経験されたからこそ、言えることがたくさんあります(説得力があります)。

女性が活躍してくれる10の方法
Ⅰ.いいパートナーが必要
Ⅱ.多様性が社会を発展させる
Ⅲ.自分の幸せは自分が決める
Ⅳ.仕事の質は時間ではない
Ⅴ.評価方法の見直し
Ⅵ.どんな管理職にならなれるか?
Ⅶ.組織の目標を出すだけではダメ
Ⅷ.子育ては、女性だけの仕事ではない
Ⅸ.心理的安全性の確保
Ⅹ.役割分担主義から決別

ひとつひとつがとても説得力があり、うんうんと同意することばかりでした(御意)。(詳しく書いていいのかわからないので詳細は割愛します)

先生のお話の中で、職場における二つの性差別という話が特に印象に残りました。

①女性を敵視する差別と②好意的な差別 です。好意的な差別が実際あるだろうなと感じますし、「好意的」だからこそ厄介なものだろうと思いました。

女性を称賛しながら、
・「女子力高い」=女性の男性的行為を非難
・育児中の女性にチャレンジングな仕事をさせない
・膠着したコース別人事制度(生涯一般職)

「ありがとうございます」とその中で収まっていればよいのでしょうか?男女問わず、社会で生きていくのは大変な世の中になっているように感じるのですが、あれもこれもするにはキャパの問題があるので不可能ですし、自己犠牲の精神では発展的進展はありません。でも一人の人間として仕事を楽しむ。自分の幸せは自分が決めるという意識が大切かなと思いました。