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お知らせと活動

【研修】石川県児童生活指導センター 参観研修会

石川家庭・少年友の会の参観研修会があり、今年は「石川県児童生活支援センター」へ伺いました。

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友の会の幹事として毎年参観研修会を企画させていただいているのですが、先方にはお忙しい中、参観を快く受け入れていただきありがとうございました!


~石川県立児童生活指導センターとは~

家庭・学校・地域社会等の環境上の理由により生活指導を必要とする児童(満18歳未満)が、豊かな自然環境の中で共に暮らし、共に学び、共に働くことを通して自立をはかることを支援する児童福祉施設で、各県に設置が義務付けられているものです。

センターには小中学校の分校が設置されており、学校教育が行われています。分校では、個々の児童がもつ課題の克服に向け、施設の特色を活かした教育・指導を行い、意欲、自信をもち、学力全般の向上を目指します。


まず、園長よりセンターの概要についてお話をいただきました。

「暮らし」「学び」「働く」の三本柱でサポートを行っているそうです。

以前はいわゆる非行少年が多かったそうですが、今は家庭内不和、困窮、虐待など、安心して暮らせる環境にない児童が来ることが多いそうです。安心感がない生活、情緒が不安定になる、大人を信頼していない、家族の在り方をしらないなどなど。。。また児童本人も発達に関わる問題を抱えているケースもあり、いろいろ難しい状況にあるんだなと感じました。

入園については児童相談所の措置によって決まることがほどんどだそうです。現在は中学生が7名いらっしゃるそうです。

この園の特徴は、「夫婦小舎制」にあります。生活をする寮(小舎)はご夫婦の職員が寮長・寮母として担当されています。同じ人が家庭的な環境で面倒を見るのです。ただそのご夫婦職員にとっては、生活が仕事であり、仕事が生活となってしまいます。中には、ご夫婦のお子さんも一緒に生活をしているケースもあるので、はたから見てほんとに大変な職業だなと感じてしまいます。以前別の研修の機会に、この施設でご夫婦で小舎を担当していたという方にお話を聞いたことがあるのですが、夜ご飯の時に、親父(役の職員)が晩酌を始めるといつ酔っぱらって殴ってくるのかとひやひやした感じでいる児童がいたり、大人を信用していないので親(役の職員)にわざと怒らせるようなことを言って試してくる児童もいたそうです。志が高くないとできない仕事だと改めて思います。この「夫婦小舎制」の存続が難しくなっている県も多いそうで、周辺の県では石川県だけとなっているそうです。

学校は普通の学校と同じで、授業はもちろんですが、行事もたくさん行われていることが紹介されました。規則正しく安心感のある環境の中で、児童たちをみんなでサポートしているのがよくわかりました。

その後、実際に寮(小舎)を見学させていただきました。明るく生活感のある施設でした。共同で使うリビングキッチンスペース、各居室、浴室等、そしてご夫婦職員のプライべートスペースがあります。中庭を中心にそれを囲むように各スペースが配置されていました。

次にはまなす寮という預かり寮も見学させていただきました。ご夫婦職員の休暇時間を確保するために3週間おきの金土日はこのはまなす寮で児童みんなが生活しているそうです。

この参観研修会に参加して、子供の境遇の不遇さ、子供を支える仕事の大変さを感じながらも、社会としてみんなを支える体制になればいいなと思いました。入園中そして退園した児童たちが、家庭や次の環境で、愛に恵まれ、自分を大切に、自信をもって生き生きと成長してほしいなと感じました。

とても貴重な時間でした。お忙しい中、ご対応いただきました、職員の皆様、ありがとうございました。