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【研修】湖南学院 参観研修会

石川家庭・少年友の会の参観研修会があり、今年は湖南学院へ伺いました。

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友の会の幹事として毎年参観研修会を企画させていただいているのですが、新型コロナの影響で実に3年ぶりの参観研修会となりました。


~湖南学院とは~

おもに北陸・東海地区の家庭裁判所において、第1種及び第5種少年院送致決定を受けた者を収容する北陸地方で唯一の少年です。矯正教育課程として社会適応課程Ⅰ(A1)、支援教育課程Ⅲ(N3)、保護観察復帰指導課程Ⅰ(P1)、保護観察復帰指導課程Ⅱ(P2)が設けられています。

湖南学院という名称の由来は、発足当初、日本海沿岸部に位置する「河北潟」の湖の南岸に設立されたことによります。


まず、会議室で湖南学院の沿革、概要などの説明を受けました。そして犯罪白書に基づき、近年の少年犯罪に関するデータをご紹介いただきました。犯罪件数は減っていること、また、昔のような集団の事件(例えばスクールウォーズの時代のような非行グループ、暴走族や校内暴力)ではなく、個人でのケースが多くなっていること、オレオレ詐欺グループの中での末端の役割で、そもそもバイト感覚で犯罪を犯した認識がない場合、親からのネグレクトなど家庭環境に恵まれていない場合、いわゆる発達障害(あるいはグレーゾーン)の子で対人関係がうまく築けないなどからくる犯罪もあるとのことでした。窃盗によって少年院に収容される場合が一番多いそうです。ただ、窃盗の程度だけではなく、背景、環境なども含め、「少年の保護」に主眼をおいて、少年院収容となっているとのことでした。

少年院では、「矯正教育」「社会復帰支援」を行っており、画一的な対応ではなく、個々の少年にあったプログラムで実施されているそうです。見学させていただいた時は17人の少年が収容されているとのことでした。思ったよりも少ないなと感じたのですが、職員の方と近い関係性の元、温かく見守られているのではないのでしょうか。基本的な生活習慣から教えることもあり(親に教えられていない)、この場はきっと少年にとっては、重要な場所になるのだろうと感じました。

続いて、いよいよ施設の中の見学となりました。印象としては、合宿所のような感じでした(少年の家みたいな)。明るくて綺麗で、機能的な感じです。面会室や教室、体育館、寮などを見学させていただきました。廊下には友禅染めや習字などいろいろな作品が展示されており、出来が良くてびっくりしました。

最後に、会議室に戻り、質疑応答の時間となりました。活発に皆さん質問されていましたが、率直にお答えいただき、大変有意義な参観研修会となりました。

この場所でせっかく矯正、立ち直りを図ることができても、その子を社会が受け入れてあげないと元の木阿弥です。そうはいってもなかなかきれいごとではいけないものですが、将来を担う子供たちを、社会として受け入れる素養が必要だと感じました。子供も大人も生きにくい世の中ですけどね・・・。

そんなこんなでいろいろなことを感じた参観研修会。湖南学院の皆様、ありがとうございました。