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東野圭吾「さまよう刃」

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読み進めていくと、復讐の話の映画を見たような??

読み終わって検索してみると、寺尾聡さん主演の映画「さまよう刃」のテレビ放送を見たのを思い出しました。同じような話でしたが、復讐にかられる父の気持ちの根源となる事件について、小説の中でのむごたらしさ、残忍さ、おぞましさは、映画の比ではありませんでした。これぼどの復讐にかられる理由、映画では読み取れなかったなぁ。ほんとにひどい話で、逆に映像では描写できないですね。

何でもない日常が、事件によって、壊される。娘を失ったうえに、更に自分の人生もむちゃくちゃになる。本人はめちゃくちゃになっても構わない(死すら恐れない)気持ちなのかもしれませんが、もし事件がなければ、こんな苦しみを味わう必要もなかったのにと思うと、悲しい気持ちがあふれます。苦悩する主人公は西島秀俊さんがイメージとしてでてきました。

本の中では、少年法に関する議論もありました。確かに被害者側の立場か、少年側の立場かによって、考え方も違ってきます。どうあるべきかについては、私には考えが及びませんが、大変難しい問題ですね。立場と言えば、警察官も、警察官としての立場と親としての立場との葛藤についての記載がありました。う~ん、とにかく生きていくことはたいへんなことだなぁと痛感した一冊でした。

ただただ、日々の生活で、被害者側にも加害者側にもならずに、平穏に暮らせることを願うばかりです。

★★★★★