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山崎豊子「不毛地帯(一)~(五)」

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「壱岐正」

イメージとして浮かんできたのは、「高倉健」。寡黙で実直で。

シベリアでの生活は、まさに生き地獄。ほんとに生きながらえれば、長らえるほど地獄が続く。空腹と寒さと劣圧な環境。重労働と栄養不足に睡眠不足。読んでいてほんとにつらかった。今まさにロシアによるウクライナ侵攻が行われている中、リアルに恐怖が感じられた。約束なんてあってないようなもの。11年の長きに渡り、壱岐正はよく耐えた。11年ですよ!

商社の仕事ってすごいですね。ワールドワイドに大きな額を動かす。投機的な面もあり、市場や先行きを読み取る分析力。一方で、ライバルとの熾烈な戦い。しかもライバルは社外だけではなく、社内にも。心が休まるときがないな。化かし合いに裏切り。方々への周到な根回し。紳士的なふるまいの裏での争い。生々しい出来事として感じられました。

一方で、自分はほんとに日々、のほほんと暮らしているなと。このままではいけないなと奮い立つ気持ちも生まれましたが、、、なかなか続かなかった(笑)

体調を崩したらもう終わり。でもそれをひた隠しに仕事を続ける。体と仕事の優先順位がわからなくなってしまうんですね。

それにしても商社マンの妻はすごかったな。夫の仕事を理解し、献身的にふるまい、上司への気遣い、パーティなどでの立ち振る舞い、もてなす心・・・。とても自分には無理だわ。。。

壱岐の奥さんがあっけなく死んでしまい、、、シベリアであんなに「生」にこだわって書かれていたのに、一方でこんなあっさりと。ま、それが人生というものなのか。

壱岐と千里との関係は、残念だったな。お互いに惹かれているのにうまくいかないものなんですね。ちょっとうまくかみ合わなくなってしまった。周りの人へのこそこそとした感じ。千里にはつらかっただろうな。

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