2021.11.13 山崎豊子「沈まぬ太陽（一）～（五）」

大変過酷なお話でした。

「恩地元」にモデルとなる人がいることにも衝撃でした。まっすぐで、自分にも周りにも偽りなく、強い信念。折れそうになる気持ちを奮い立たせる正義感。こんなひどい仕打ちがあるものかと。

社長室編では、大変解決しがたい出来事を国見会長の正義がどのように正していくのか、楽しみにしていたのですが、いかんせん、他者による執拗な嫌がらせにより、志半ばで退任となり、残念な結果になってしまった。闇を暴くことは難しいのですね。そうやって、裏で甘い汁をすって、笑っている人がいるのが世の中なのか。。。

ハッピーエンドあるいは痛快な結末を期待しましたが、私的には残念な結末で、でも恩地元にしたら、新たな使命を見出し、すがすがしい気持ちで行くことができたのかもしれない。一貫して揺らぐことのない信念がそうさせるのですね。家族的にはスマートに過ごすことはできませんが。

マスコミも怖いものだ。恣意的な目的をもって報道し、その与える影響の大きさからその悪は大きい。

思いがけず、不動産鑑定評価書、簡易鑑定書なるワードも出てきて、親しみを持って読むことができました。

恩地元と行天四郎のお子さんの成長の違い。そういうところに親としての人となりが現れてしまうのか？？わが身を映す子が案じられます。。。