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内田康夫「金沢殺人事件」

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金沢が舞台ということで、手に取りました。平成元年の作品。

このころの金沢は、なんとなく、影があるような、裏日本的な、雪も水分を含み重たそうな、ちょっと陰湿な感じの気候、人柄としてあらわされているような気がしました。その後、観光都市として大きく成長し、今日の姿があります。

具体的な地名が現れ、親近感を持って読み進めることができます。事件がつながり、人と人がつながり、やっぱり、恋沙汰なのかと。いけない恋は、こういう結末になってしまうのね。秘密だからこそ不安が大きくなり、疑心暗鬼につながり、とうとう殺人にまでつながってしまう。事件を目撃するなんて、ほんの一瞬のめぐりあわせ、タイミングの悪さ。どうして事件にまきこまれてしまうのか。それが運命なのか?

「美術の小径」。新たな気持ちで歩いてみたくなりました。