2019.06.26 観光行動から見える『金沢の魅力』
とてもオモシロそうな講演があったので、行ってきました♪
日本海イノベーション会議の金大プログラム「観光行動から見える『金沢の魅力』」です。
金沢大学の研究者お二人による金沢への観光客の行動をデータ分析したものです。北陸新幹線金沢開業から4年が過ぎても多くの観光客で賑わう金沢。土地価格も大きく上昇し、この状態はいつまで続くのか、大変気になります。
❖クルーズ船で金沢に寄港した観光客のドキドキ・ワクワク!!(藤生慎准教授)
無量寺埠頭で2020年春の完成を予定して「金沢港クルーズターミナル」が建設中ですが、金沢へ寄港するクルーズ船は昨年(2018年)は44隻、今年(2019年)は53隻が予定されており、外国人の乗船するクルーズ船も多くなっています。「無量寺埠頭」「戸水埠頭」「御供田埠頭」「大浜埠頭」の4つのバースを持つ金沢港はとてもポテンシャルが高く、観光地にも近いことが魅力になっているそうです。
クルーズ船で金沢港にやってきたクルーズ客は、下船をしてから一体どこに行って、何をしているのか?
なんと、クルーズ客のご協力のもと、「GPSロガー」、「超小型ライフログカメラ」をつけていただき、観光中の細かなルート、移動速度、見ているものをデータとして集め、分析をしたそうです。すると、意外な穴場に行っていたり、国によって食べているものが違っていたりと様々なことが分かったそうです。
タイトルの「ドキドキ・ワクワク」。なかなか抽象的なワードで、これとデータ分析とどう関係があるのかと思ったのですが、「心拍データ」もとっているそうです。「ドキドキ・ワクワク」をデータで把握。兼六園内でドキドキ・ワクワクしているスポットがわかったそうです!
大変面白いな~と思いました。これらのデータを有効に活用し、より金沢の魅力を上げるような取組へとつながっていったらいいなと思いました。
❖北陸新幹線の金沢開業は「人の移動行動」をどのように変えたか?(山口裕通助教)
いきなり、「北陸新幹線の金沢開業効果は”普通の”新幹線効果ではなかった!」とのこと。どんなお話か興味津々です(´◔◡◔`)
(普通の新幹線効果は、時間短縮効果で、新幹線駅間の移動時間が短く&便利になり、”行きやすく”なったということです。)
移動行動を携帯電話の位置情報データ(モバイル空間統計)を使って分析してみるとわかったことがあるそうです。新幹線でつながった東京(北陸新幹線沿線)からの移動人数はもちろん増えているのですが、それ以外に西方面・新幹線整備のない方向からの移動も増加しているそうです。つまり、日本全国から石川県への旅行が増加していることになります!つまり、石川・金沢へ”行きやすく”なったという「時間短縮効果」にプラスして、石川・金沢に”行きたくなった”という「旅行先価値の向上効果」がみられているのです。
では、これらの内訳は?? これも空間パターン分析をすることで分かったそうです。石川県への来訪者増加のうち、かなりの量を「旅行先価値の向上効果」が占めているそうです!
ではでは、「行きたくなった」効果とは、結局何者なのか??通常、新幹線が開業することに併せ、メディアで取り上げられる機会が増えたり、旅番組で有名人が訪れたりと、「広告効果」が見られます。しかし、この効果は、長期間は継続しない可能性が高いです。では、長期的に継続する効果とは何でしょうか?答えは、「新幹線開業をターゲットにした金沢の街づくりの成果」と「新幹線開業による広告効果で金沢の魅力が気づかれた効果」とのこと。(ちなみに富山県の旅行先価値向上効果は、石川県より少ないそうです。また、石川県のどの範囲で効果があったかについては、県中央部が大きいとのことです)。
結論として、金沢の「北陸新幹線効果」は、”単なる時間短縮効果”ではなく、大きな広告効果と金沢の価値(魅力)が向上 あるいは 気づかれた ことによる!!
なんとなく、金沢への観光客の増加は、金沢の地位というか、魅力度が上がったことによるものという感覚はありましたが、具体的データに裏付けられた発表は、大変説得力があり、とてもよく理解できました。
いや~とても楽しい講演でした。
☟☟☟ 当日の新聞記事。頭だけ写っておりました ☟☟☟
いよい敦賀延伸開業。さらに魅力を引き上げることができるよう、おもてなしの心で、いらっしゃる方をお迎えしたいですね.•*¨*•.¸¸♬…
◇◆◇ 石川県での不動産に関するご相談、鑑定評価のご依頼は「株式会社かなざわ不動産鑑定」までお気軽にご連絡ください。tel 076-242-5420 ◇◆◇