2018.11.24 平野啓一郎「マチネの終わりに」

愛し合っているのに、切ない物語でした。すれ違い、愛するが故の遠慮。もっとうまく進むことができたのではないか？それもままならず、悲しみが募ります。

突然の別れ。お互い理解し合えていると思っていただけに、どうしてという想いに悩みます。気持ちの整理がつかない。でも前に進まないといけない・・・つらいつらい日々だったことでしょう。
４０代という年齢も微妙ですね。過ぎた数年は大きすぎる。貴重な数年。時計を巻き戻してあげたい。
再会した二人は、この先どう進んだのでしょう？？お互い守らないといけない存在があり、簡単ではないはず。心のつながりで気持ちは救われるのか？過去は変えられるのか？新しい未来が生まれるのか？
前半の恋が始まるくだり、胸がキュンキュンしました♡
あんなに最初から話が盛り上がり、魅かれあうなんて運命ってあるのかもと感じました。でも恋の神様は意地悪すぎるっ。

罪は総量なのか？自分を許したい気持ちと耐え難い罪悪感に今の幸せが不安でならなかったでしょう。

・・・平野啓一郎さん、年配の方かと思ったら、思ったより若くでビックリしました。男性の心情も女性の心情も細やかに描いて、すごい方ですね。

★★★★★