2026.01.14 映画「正体」
投稿時間 23:48
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お正月に家族で観た映画「正体」。プロジェクターに映してリラックスモードで鑑賞。
観終わったあとに残ったのは、派手な展開よりも、じわっと沁みる“やさしさ”でした。登場人物それぞれが、相手を丸ごと信じきるわけじゃない。疑いながら、怖がりながら、それでも最後の最後で「この人を切り捨てたくない」と踏みとどまる。その小さな踏みとどまりが積み重なって、画面の空気がどんどんやわらかくなっていく感じがしました。横浜流星さんの存在が、その“やわらかさ”の中心にいたのも確かで、彼が優しいから周りが優しくなるのか、周りの優しさが彼をより優しく見せるのか…たぶん両方なんだろうな、と。やさしさって単体で成立するものじゃなくて、受け取って返して、また返ってきて、いつの間にか場に溜まっていくものなんだなと思いました。
一方で、刑事側はイラっとしました。正しさ一本槍で突っ走るというより、迷いがずっと顔に出ている。あの迷いは、単なる優柔不断ではなくて、「組織の論理」と「目の前の人間」の間で揺れている迷いなんですよね。上司に逆らえない、という言葉で片付けたくなるけど、現実の“逆らえなさ”ってもっと粘っこい。評価、前例、責任の所在、失敗したときの処理…そういうものが絡んで、個人の判断をじわじわ縛る。それでも、相手の人生がかかっている以上、慎重さを手放してほしくない。慎重に、丁寧に、少しでも事実に近づく努力をしてほしいと思いました。