2025.06.17 石川県の不動産市況はどう動いた?第19回DI調査の結果から見えた傾向
投稿時間 08:50
in お知らせ
石川県不動産鑑定士協会では、石川県宅地建物取引業協会と共同で、不動産市況に関するアンケート調査「石川県不動産市況DI調査」を年2回(4月と10月)実施しています。
今回は令和7年4月1日を基準日とした第19回調査の結果がまとまりましたので、その概要を簡単にご紹介します。
■ 今回の調査の概要
調査対象は、宅建協会に所属する県内の事業者さん976社。そのうち252社からご回答をいただきました(回答率25.8%)。
調査内容は主にこの2つです:
- 過去半年間(令和6年10月~令和7年4月)の不動産市場の実感
- 今後半年間(令和7年4月~10月)の不動産市場の見通し
また今回も、令和6年1月に発生した能登半島地震の影響についても特別に尋ねています。
■ 能登半島地震の影響は?
やはり大きなトピックは地震の影響です。
- 県全体のDIは▲1.4ポイントと、ややマイナスですが、前回調査(▲4.5P)からは改善。
- 奥能登地区では▲60.0Pと、依然として厳しい状況。とはいえ前回の▲87.5Pからは回復傾向が見られました。
- 一方、金沢市を含む県央地区は+5.7Pと、正の影響が上回る結果となっています。
賃貸市場では、被災地からの移住ニーズなどで空室が埋まり、家賃が上昇する動きも見られました。ただし、今後の動きはまだ不透明です。
■ 地価はどうなっている?
住宅地
- 現時点(R7.4.1)のDIは+21.7Pで、前回より改善。
- ただし半年後の予測DIは+7.0Pと、慎重な見方が増えています。
商業地
- 現時点のDIは+34.9Pで好調。ただし半年後は+17.6Pと、こちらも先行きには不安感が。
金沢市は住宅地で+24.0P、商業地で+57.5Pと堅調な評価。都市部では地価の底堅さが見られます。
■ 不動産市場の取引状況は?
- 中古マンションや中古戸建については、実感・予測ともに改善傾向。
- 一方、土地・新築戸建はやや伸び悩み気味で、今後も慎重な姿勢が続くと予想されています。
■ まとめ
今回のDI調査では、能登半島地震の影響が色濃く反映された結果となりました。地域ごとの差が大きく、復興支援と地域再生の両輪が求められます。
一方、金沢市を中心とする県央地区では地価・取引ともに堅調で、一定の需要が維持されています。
地震による影響は長期戦になる可能性もありますが、今後の回復の兆しを丁寧に追っていきたいところです。
調査結果の詳細を見たい方は、石川県不動産鑑定士協会のページまたは下記リンクからもご確認いただけます。
第19回石川県不動産市況DI調査(基準日:令和7年4月1日)
◇◆◇ 石川県での不動産に関するご相談、鑑定評価のご依頼は「株式会社かなざわ不動産鑑定」までお気軽にご連絡ください。tel 076-242-5420 ◇◆◇