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月刊不動産鑑定

元ボスから、大変貴重なものをお譲りいただきました。
「月刊不動産鑑定」
わが不動産鑑定業界の専門誌であり、実務家を対象したビジネスの動きと解説、不動産鑑定に関する実務の在り方、研究論文などで構成されている書籍で、1964年(昭和39年)、我が国における不動産鑑定評価制度の発足と同時に創刊された歴史あるものです。

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一番古いものは・・・

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1965年(昭和40年)3月号でした。私の生まれる前です(笑)

中身は「宅地見込地の鑑定評価をめぐって」。とても時代を感じる写真ですが、先人たちがこうやって鑑定評価をめぐる議論を繰り返し、現在の評価手法が確立していっているんだなと改めて感じました。

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ほかにも学問的に鑑定評価を検討している論文もあり、日々あまり考えることをせず、あるものを受けいれている自分の姿勢に反省しました。

前年の1964年に初めての不動産鑑定士試験(特別不動産鑑定士・鑑定士補試験)が行われ、そのことに関するレポートもありました。


「不動産鑑定評価制度は、新たな時代を迎え、関係者の努力とともにその発展が期待されている。特に、初めての特別不動産鑑定士・鑑定士補試験が実施され、全国9か所で1964年9月20日、23日に行われた。この試験では、特別不動産鑑定士として232人、鑑定士補として190名が合格し、新制度の下で新たな鑑定士が誕生した。新たな制度のもとでの鑑定士の活躍が期待されるとともに、その質の向上が求められている。

この試験の特徴は、極めて厳格である点にある。第1回の試験では、受験者数7,491名のうち、合格者は422名であり、合格率はわずか5.6%であった。このことからも、不動産鑑定士が単なる資格ではなく、高度な専門性を持つ職業であることが示された。合格者は、高い能力と専門知識を持ち、倫理観や社会的責任を果たせる人材であることが求められている。一方で、不合格者の中にも優れた資質を持つ者は多く、今後の努力次第では再挑戦の機会もある。

不動産鑑定士の職責は、単なる評価作業にとどまらず、社会的役割を担うものである。そのため、受験者は試験対策だけでなく、広範な知識や判断力、倫理観を身につける必要がある。特に、制度の発展に伴い、不動産鑑定士の役割はより一層重要になっており、試験の厳格化はその信用を高めるための措置である。

また、制度の成功には、試験の在り方や鑑定士の社会的地位の確立が不可欠である。試験を通過するだけでなく、鑑定士としての継続的な学習や実務経験の蓄積が求められる。特に、不動産鑑定の実務においては、単なる経験則に頼るのではなく、科学的な手法を取り入れ、客観的な評価を行うことが必要である。

さらに、不動産鑑定評価制度は今年から本格的にスタートし、地価公示制度の準備も進められている。地価調査は不動産鑑定士の手によって行われ、4月からは本格的な不動産鑑定業務が開始される予定である。これにより、不動産鑑定士の存在意義がより一層高まることになる。不動産市場の透明性を確保し、信頼性のある評価を行うためには、鑑定士の能力と誠実さが不可欠であり、関係者の尽力が求められる。

今後の課題として、不動産鑑定評価制度が期待通りの発展を遂げるかは、関係者の努力にかかっている。特に、評価基準の明確化や実務の透明性向上が重要であり、経験に基づいた評価だけでなく、科学的な手法の導入も求められる。鑑定士の育成や試験制度の改善も重要であり、継続的な制度の見直しと関係者の協力が不可欠である。」


不動産鑑定士に期待されていることがたくさん記載されています。わが身を振り返り、今一度気を引き締め治す必要があるようです・・・


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