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映画「来る」

仕事がひと段落し、時間ができたので、ホラーというか、やばい映画を3本立て続けに見ました!

映画『来る』:心がざわつく恐怖とモヤモヤ

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映画『来る』を観ました。ホラー映画というジャンルながら、単なる怪異の怖さだけでなく、人間関係のリアルな闇や心の機微が描かれていて、観終わった後もしばらくモヤモヤが残る作品でした。

夫のトンチンカンな言動にモヤモヤ

特に印象的だったのは、妻夫木聡さん演じる主人公・田原秀樹のトンチンカンというか、無神経な言動です。
彼は一見、育児に協力的な「良き夫」に見えるんですが、実際には自己満足で動いているだけ。子どもを可愛がるけれど、実際の育児の大変さや奥さんの気持ちには無頓着。いわゆる「イクメン風」なだけで、肝心な部分は何も分かっていないんですよね。

奥さんが疲れ果てているのに、「頑張ってるね」「ありがとう」って言葉だけで片付けたり、いいパパアピールをするけど、結局は「自分が褒められたいだけ」。このズレがリアルすぎて、観ていてイライラとモヤモヤが募りました。

育児に報われない奥さんの気持ち

秀樹の妻・香奈(黒木華さん)は、そんな夫に報われない思いを抱えながら必死に子どもを育てています。「子どもを守らなきゃ」という必死さと、「誰も助けてくれない」という孤独感がひしひしと伝わってきて、心が締め付けられました。

夫は表面上は「いい人」だけど、実際には何もしていない。このギャップが、香奈の絶望感をより強めているんですよね。何かあっても「俺、仕事があるから」「母親なんだから頑張ってよ」みたいな空気を出されると、逃げ場がなくなってしまいますよね。

個人的には、香奈の心情がすごくリアルで共感できる部分が多かったです。育児って、どれだけ愛情があっても一人では乗り切れないもの。なのに、夫が分かってくれないと、どんどん追い詰められてしまう。その結果、彼女が取った行動は衝撃的だけど、「そうなってしまうのも無理はない」と思えてしまうのが怖かったです。

「怪異」よりも「人間」が怖い映画

『来る』は、幽霊や怪異の恐怖を描いたホラー映画ですが、それ以上に「人間の怖さ」や「社会の闇」が浮き彫りになる作品でした。
特に秀樹のような「一見いい人だけど、実は無責任でズルい人間」は、現実にもいるんじゃないかと思うとゾッとします。

映画の後半では、霊媒師たちが登場し、本格的な除霊バトルが繰り広げられますが、そこに至るまでの人間関係のドロドロがむしろ一番のホラーでしたね💦