2025.02.19 【研修】新しい公益法人制度・公益法人会計基準への実務対応
先日、「新しい公益法人制度・公益法人会計基準への実務対応~公益法人が新認定基準と新会計基準をクリアするヒント~」と題されたセミナーを受講しました。公益法人に関する制度改正が進む中、令和6年会計基準の適用や法人運営に関する重要な変更点について学ぶ貴重な機会となりました。
令和6年会計基準の適用法人とポイント
令和6年会計基準は、公益社団法人・公益財団法人、そして移行法人(公益目的支出計画を完了していない一般社団法人・財団法人)に適用されます。新基準の適用は令和7年4月1日以降に開始する事業年度からですが、平成20年会計基準の適用が可能な経過措置も3年間設けられています。
新基準の特徴として、財務諸表の作成義務が強化され、貸借対照表や活動計算書に加えて、キャッシュ・フロー計算書の作成も求められるケースがあります。また、財務三基準(収支相償、公益目的事業比率、使途不特定財産額の保有制限)の考え方にも変更があり、中期的な視点での収支管理が重要になりました。
公益法人の経理と決算における変更点
公益法人の経理処理では、区分経理の重要性がより強調されることになりました。公益目的事業会計・収益事業会計・法人会計の明確な区分が求められ、それぞれの事業ごとに適切な計算書類を作成する必要があります。
また、決算を適正かつ円滑に進めるためには、日々の仕訳や収益事業の区分、指定純資産の管理など、細かな点にも注意が必要です。セミナーでは、TKCシステムの活用によって、会計処理を効率化し、令和6年会計基準への対応をスムーズに進めることができる点も紹介されました。
法人運営の新たな留意点
改正認定法に基づき、法人のガバナンス強化のためのルールも見直されています。例えば、理事・監事間の特別利害関係を排除するため、親族関係の割合制限が設けられました。また、外部理事・外部監事の設置が義務化されるケースもあり、公益法人の透明性を高める取り組みが求められます。
加えて、役員報酬の情報開示も厳格化され、理事・監事ごとの報酬額や、高額報酬(2,000万円以上)を受け取る役員についての情報公開が必要になります。
今後の対応と準備
今回のセミナーを通じて、公益法人の運営に関する制度変更が多岐にわたることを再認識しました。新基準に適応するためには、早めの準備が欠かせません。特に、財務管理や決算業務の見直し、法人のガバナンス強化に向けた体制づくりが求められるでしょう。
今後も、制度の動向を注視しながら、公益法人がより円滑に運営できるよう、適切な対応を進めていく必要があると感じました。
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