2025.12.20 「第20回石川県不動産市況DI調査(令和7年10月度)」公表
私の所属する「公益社団法人石川県不動産鑑定士協会」と「公益社団法人石川県宅地建物取引業協会」が共同で、年2回実施している「石川県不動産市況DI調査」。
先日、第20回(令和7年10月1日基準)の調査結果が公表となりました。
今回の調査では、令和6年能登半島地震の影響についての設問も引き続き入っています。数字だけを見ると、県全体では地震の影響DIは+1.3ポイントと、わずかですが「正の影響」が上回る結果になりました。ただし、奥能登地区は▲28.6ポイントと依然として大きなマイナスで、地域ごとの温度差はかなりはっきりしています。
地価動向を見ると、住宅地・商業地ともに「現況の実感値」はプラスを維持しました。
住宅地は+28.4ポイント、商業地は+40.4ポイントで、前回調査からは改善しています。一方で、半年後の予測値はいずれも低下しており、住宅地は+17.2ポイント、商業地は+27.2ポイント。建築費や物価の高止まり、先行き不透明感を意識している回答が多い印象です。
不動産取引市場については、土地・新築戸建は±0前後で横ばい感が強く、中古マンションはマイナス圏が続いています。その一方で、中古戸建は+9.2ポイントと比較的堅調でした。新築が高くなりすぎて、中古に目が向いている、現場感覚とも重なる結果だと思います。
賃貸市場では、共同住宅・店舗ともに家賃DIはプラスですが、空室数については悪化方向の数字が出ています。地震後の一時的な需要増が落ち着きつつあり、「強さはあるが楽観はできない」という状況が数字にも表れています。
DI調査は、実際に現場で取引や評価に携わっている方々の「感覚」を数値化したものです。必ずしも将来を断定するものではありませんが、今どこに強さがあり、どこに慎重さが出ているのかを知る材料にはなります。
石川県の不動産市場は、県央と能登でまったく違う表情を見せています。数字を一つ一つ追いながら、「なぜこのDIになっているのか」を考えることが、これからますます大事になりそうです。
詳細については、公表資料をご覧ください(→こちら)
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