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綾辻行人「十角館の殺人」

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久しぶりにミステリーものを読破。
読んでいる最中、犯人は誰~?この後どうなる~?と、ドキドキして、自分をその世界において、現実逃避というかふわふわした感覚になるの、大好きです。
情けないことに2回読んで、ちゃんと複線回収できた~という感じで、理解できました。ちょいちょい、放り込んであったのですね~。

最初は「閉ざされた島」という舞台設定にワクワクして、必ず何かが起こるという期待を裏切らない、クローズド・サークルならではの緊張感に夢中になりました。
登場人物が次々と追い詰められていく様子は本当に手に汗握る展開で、しかも名前の付け方に工夫があるので、「あれ、この人誰だっけ?」と混乱したりもしました(笑)。

死体との同居ってとても怖い状況だと思うのですが、それを受け入れている、受け入れざるを得ない状況って想像を絶する・・・。
1回目はただストーリーを追って最後の衝撃に「えー!?」と驚くばかりでしたが、2回目では「あ、ここでちゃんと伏線が張ってあったんだ」と気づくことができました!
セリフの端々や細かい描写に意味が込められていて、それを見逃していた自分に苦笑しつつ、改めてミステリーの面白さを感じました。
読み終えた後は余韻が強く、ただ単に「また読みたい」というより「この余韻にしばらく浸っていたい」というふわふわした気持ちになります。孤立した島という舞台、登場人物の心理戦、そしてあの鮮烈な真相、すべてががっちり噛み合っていて、強烈な体験をさせてくれる作品でした。
それにしても人の気持ちは怖いものですね。