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冷静と情熱のあいだ

『冷静と情熱のあいだ』

日曜日の昼下がり、読み始めました。家に『Rosso』だけがあって、過去に読んだと思うのですが、すっかり内容を忘れており、新鮮に読むことができました。

❖ 女性版『Rosso』(江國香織 著)

読み終わってからずっと思っていました。「どうして再会できたのに、帰ってしまったの?」と。

あおいは彼氏と別れていたのに、そのことを順正に伝えないまま去ってしまいます。

最初は、アメリカ人の彼にあんなに愛され、大切にされているのに、心が別の場所にあるなんて「贅沢だな」とも思ったんです。でも読み進めるうちに、気づきました。

好きになる気持ちって、理屈じゃないんですよね。どれだけ相手に尽くされていても、「心が求めてしまう人」がいる。その感情には、なかなか逆らえないものなのかもしれません。

・・・そういえば、男性版があったなと。同じ時間を順正はどんな気持ちでいたのか?とても興味がわいたので、急遽石川県立図書館へ

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二冊揃いました~

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❖ 男性版『Blu』(辻仁成 著)

女性版を読んだ後だったからこそ、順正の気持ちには本当に驚かされました。

まさか、あれほど長い間、あおいのことを思い続けていたなんて……。彼の中では、ずっと「約束の日」が灯台のように輝いていたのですね。

でも、どうしてもっと早く謝らなかったの? どうして会いに行かなかったの? そう思わずにはいられませんでした。

再会のシーンで順正が感じた「違和感」。なんとも言えず切なかったです。8年も経てば、お互いにいろんな経験をして、あの頃のままではいられないですよね。

・・・ここまで来たら、映画版も観たくなって、、、

誰が演じているのだろう??

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あ~~。とても綺麗なビジュアルの二人💛綺麗な街にはやっぱり美男美女ですね~~

❖ 映画版

原作の中では「雨」のイメージが強かったのに、映画では一転して明るく、ポップな印象。最初はそのギャップに少し戸惑いましたが、あの美しい街並みが、まるで夢の中のような物語をさらに引き立てていた気がします。

そして何よりも、竹野内豊さんの目と声がとても素敵でした。

原作では、二人とも普通のビジュアルのイメージだったのですが、あれくらい美しい2人じゃないと映像としては成立しないのかもしれませんね。

二人が大学生の時にあんなに分かち合い、愛し合ったことについては、うまく表現しきれていないように感じ、ずっと思い続けていたことを納得させるには描写時間が足りないように感じました。

最後、二人が結ばれる余韻があってよかったです。やっぱりハッピーエンドを求めてしまいますっ。

❖ まとめ

この作品を通して感じたのは、「相手の気持ちは、どれだけ考えてもわからない」ということ。そして、「だったら、自分の気持ちに素直に行動するしかない」ということです。

8年という時間が、互いの気持ちを美化して、思い出を神聖なものにしてしまっていたのかもしれません。そして現実に会った時に「あれ?」と思ってしまったのも、無理はない。

それでも——それでも、最後に2人がまた向き合えたことに、希望を感じました。過ぎた時間は戻らないけれど、未来はいつだって、これから作れる。そう思わせてくれる物語でした。

そしてもうひとつ強く思ったのは、「どれだけ相手のことを思っていても、通じないことがある」ということ。あおいの彼氏も、順正の彼女も、きっと精一杯に愛していたのに、それでも気持ちは届かなかった。誰かが悪いわけじゃなくて——それが「人の心」なんだなと、残念だけど納得するしかない気がしました。