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辻村深月「かがみの孤城」

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息子が面白いよと薦めてくれました。

でもオオカミの仮面をかぶった少女??という設定が、なんで~??という感じで、あまり気が進まなかったのですが、実際に読んでみると、とても面白かったです!!

ストーリーがとてもよくできていて伏線回収がすごすぎる!!よくこんな話を考えるものだと感心しまくりです。終わり方もほんとによかった!!結末に感動ですっ!!

大人の世界の生々しい人間関係の話も面白いですが、中学生の世界も複雑で、そしていろいろ大変なんだな~と思いました。意味が分からないことで無視が始まったり、いちゃもんつけられたり・・・。時期が過ぎればまたターゲットが変わるという幼いからこそのことなのかもしれませんが、実際その渦に巻き込まれてしまうと、どうすることもできないだろうな。もえちゃんと下駄箱のところであった時の気まずい感じはほんとに悲しかった。こころにしたら、唯一の味方だと思っていたのになんで??という気持ちで絶望感に苛まれただだろうし、もえちゃんはもえちゃんでつらかったんだね・・・。頑張ってそれぞれが学校に行った時も悲しかった。

居場所が家と学校という限られた空間だけなので、どこにも逃げ場所がなくなってしまう。周りの大人も理解してくれないし(できないし)、当の本人も気持ちをうまく表現することができない。子供は悩みを抱えていても親には言いにくいということや、言ったとしてもうまく解決できるとは限らないということ。大人は大人の目線で、そして大人の都合でいろいろ子供に対応してしまうけど、反省しないとなと感じました。その点、喜多嶋先生は絶対的な包容力と安心感、信頼感があり、本当によかった。伊田先生は間抜けでひどかった。

登場人物は個性豊かで、そしてそれぞれに悩みを持っている。最初はよそよそしかったけど次第に距離を縮め、理解を深め、協力し、助ける。それがまわりまわって自分に返ってきて来るなんて!数少ない理解してくれる大人となって繊細な気持ちを救ってくれる。ツルの恩返しではないけど、長い人生、何があるかわからないなぁ~。

あまりにもよかったので、アマゾンプライムで映画版も見ました!

OIP

小説を忠実に再現していましたが、説明が足りないところがあるので、映画だけ見た人は理解できたかな~と心配になりましたが、子供たちのビジュアルが具体的にイメージできてよかったです!リオンがかっこいいし、こころちゃんもかわいい。一緒に中学行けてよかった💛