2022.02.23 【研修】「最近の建物工事費傾向について」「最近の解体工事の動向について」
公益社団法人広島県不動産鑑定士協会主催の研修をオンラインで受講しました。
最近はいろいろな研修をオンラインで受けることができるようになり、ありがたいなぁと思っています(*^^*)
今回のテーマはとても関心のあるものです。
❖「最近の建物工事費傾向について~建築着工統計・JBCI等より~」
一般財団法人建設物価調査会の方によるお話です。
建設費に関する統計資料には、建築着工統計(住宅着工統計)(国土交通省)、JBCI(建設物価調査会)、建設工事費デフレーター(国土交通省)、建設費指数(建設物価調査会)などがありそれぞれのデータの特徴についての説明がありました。最近の建築工事費が上がっているのがグラフで明確に理解できます。建設工事費デフレータはよく鑑定の過程において利用しますが、右肩上がりで推移しています。H形鋼、木材、労務費も同様です。
JBCIは建物の建設費に関する情報サービスで、建物の建設費の総額、内訳を簡単に把握でき、用途別、地域別、構造別など様々な情報を提供しているものになります。書籍版(建物実例データ集 建物の鑑定評価必携)は手に持っており、実際の契約価格を知ることができるので、建物の再調達原価の査定の参考にしています。インターネットでも情報提供が始まっています(様々な条件設定をすることでより精緻なシミュレーションができるようです。まだ利用したことはありませんが・・・)。
常にアンテナを張って、いろいろな情報、ツールを利用していかないとなと感じました。
❖「最近の解体工事の動向について~解体実例に基づく解体工法、手順、工期等、簡便的な建物解体工事費の考え方、アスベスト除去工事の実例、土壌汚染対策工事の実例とその費用~」
実際に現場で解体工事を多く行っている業者さんによるお話です。
高度成長期に建てられた建物の老朽化や空き家の増加などによって解体需要は年々増加しているそうです。しかし、建物の高層化・大型化、高強度な解体建物の増加、市街地での解体工事の増加、産廃処理費の高騰、労務不足など問題・課題も多くあるそうです。
解体工法、解体工事費の構成割合の説明の後、実際の解体工事の話。規模が大きくなるとその解体費用の総額が大きくなってしまい、総額だけ聞くとビックリしてしまいますねっ!!。深い基礎杭が複数存し、撤去すると費用が高額&工期が長期にわたるということで地上建物の解体のみを実施し、地下埋設物残置となってしまい、駐車場としての利用しかできなくなった土地の話。地上から見る分には地中のことはわからないので、土地利用履歴の確認やヒアリングなど、まさに重要だなと感じました。
アスベスト除去工事の実例や、土壌汚染対策工事の実例。興味深い話ばかりでした。大気汚染防止法も改正があり、年々厳しくなってきています。知識をアップデートでき、有意義な研修でした。