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田中兆子「甘いお菓子は食べません」

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帯の「妻として、母として、女として、不完全。」という紹介文に目が行って購入。

本のタイトル「甘いお菓子は食べません」と中身が直接リンクしていないのです。これはどういう意味なんだろう?? 禁欲的なもの、我慢(感情の赴くままに行動しちゃダメよ)ということを表しているのでしょうか??

同年代の女性の話。う~ん、いろいろなことを考え、もがく年代ですね。気分にむらもあるしね。そうそうと納得する感情が多く記載されていました。6人の主人公。少しだけ接点がある。みんないろいろな物語を抱えているけど、心のうちは人にはわからない。はたから見るのと本人の視点で考えていることは違うな~。

❖ 確かに何でもかんでも話さないよな(笑) 言いたいけど言わない。言っていいことと悪いことを考えて話してるよね。

❖ 心の幸せはどこにあるかわからないな~。夫婦関係の難しさを感じた。若い時の関係、年を重ねてからの関係。変化をどのように受け止めるのか。すべてよしということはない。自分の機嫌を自分でとれるようにしないとね。

❖ 部下との対峙方は難しいよな~ ましてや優秀だったらなおさら。素直に行動できない。年老いた親を抱え、自分だけ好きなように生きていていいのか?いろいろな感情との葛藤。

❖ Sはどうしてどんな妻であっても受け入れているのだろうか? 逆に怖いかも。本心は一体何考えているのだろうと疑いたくなります。覚悟と我慢の上なのか? もう一つの顔を持つことでバランスをとっていたのか? 妻も弱い自分と戦っている。お酒を飲みたくなるシュチュエーション、うんうん、分かる(笑) 直也もつらかっただろうな。

❖ 私も公園でへらべったくなってみようかな? だんだん人の目を気にしなくなる図太さが身についてきているので、怖いものはない(笑) 自分に正直な、素直な気持ちが出てくるかもしれないね。若くないだけにこの先について、不安が生まれるよね。若くない女性はどうしたらいいのかなぁ。

❖ ちょっとホラーぽい話でした。他人から「クソババア」と直接はっきりと言われる機会はないだろうが、そういう風に思われているかもしれないと、ちょっと気を付けないとなと感じました。最後は大人の割り切った関係で、かっこいいと思った。


本のタイトルについてネットを検索したら、作者のコメントがありました。

【本の中の作品のどれかの名前を取って全体のタイトルにするというやり方もあるのでしょうが、そうではなく収録されている作品すべてに通底するタイトルをつけたかったんです。それでアイデアを出そうと各作品の共通点を探していたら、どの作品にも主人公がお菓子を食べている場面がないことに気がついたんです。お酒を飲む場面はあるんですけど、お菓子を食べる場面はないんですよ。それは単純に発見で、このことをタイトルにしてみたら、読み手の方々に色々な意味を持たせられるのではないかと思いました。「甘いお菓子は食べません」というと、文字通りの意味にも取れますし、「“いつまでも若々しく”などという甘い言葉には騙されない」という意味にも読めます。また、「甘いお菓子を好むのは女性」という価値観を踏まえたうえで、「そういうものではないですよ」というニュアンスもありますよね。】

とのこと。読みが全然違った(笑) 奥が深い・・・