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宮部みゆき「楽園 上・下」

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「模倣犯」の方は読んでいないのですが、十分内容は楽しめました。最初は等君のお話かと思いきや等君が見ていたものが思いがけず、重大な出来事だった。

期せずして親子の関係を問う本でしたが、ほんとに難しいものだなと感じます。等君親子のように、つつましく純粋に素直に小さな喜びを大きな喜びとして過ごすことができたら、きっと心も健やかな人になるんだろうな。

人と人のかかわりは必ずしも思いがきちんと相手に伝わらない。伝え方に問題がある場合もあるかもしれないし、受け取る側の気持ちの持ち様によるかもしれない。他者と比べることでこんな環境は嫌だと拒否してしまい、悪い方向へと進んでしまう。自分でけりをつける(自分で産んだものを自分の手で終わらせる)というはエゴ以外のなにものでもありませんが、追い詰められ、緊張の糸がプチッと切れてしまったのかもしれない。親からの愛というものを子供はとても欲しているものだと再認識した。自分はちゃんと愛を届けているか?それもきちんと相手が理解できる形で。この点は意識しないといけないなと感じた。一人の人間として日々いろいろな感情が生まれ、自分勝手に過ごしたい、一人になりたいと思う時があり、「人間だもの。」と認めたい気持ちもあるが、それではだめですね。自分の気持ちとの折り合いをつけながら逃げずに行きたい。