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山崎豊子「白い巨塔」

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テレビで唐沢寿明さんの「財前五郎」を見ていた時は、ちょうど、育児休業中で、主人と食い入るように見ていたのを覚えています。田宮二郎さんバージョンの「財前五郎」のDVDまでも借りてきて、どハマリしていました。

死を前にして唐沢寿明さんバージョン財前五郎が「死ぬことは怖くない。ただ、無念だ」といったのが、今でもとても心に残っています。この言葉、田宮二郎さんバージョンにも、原作本にもない言葉でした。

志半ばで自らの道を断念せざるを得なかった「無念さ」は、「死の恐怖」を上回る、深い深い思いなのです。上昇志向である財前五郎にとって、自分の道を断念しなければならないことはなんともつらいことだったでしょう。

外科医として天才的な能力を持っていて、憎むべきところがあるにしても、大変立派な方だと思います。助教授時代の財前五郎は、上も下も意識してうまく立ち振る舞っていたように思いますが、教授となってからは、何か、おかしな方向に動いていたのは間違いありません。途中から、雲行きが怪しく成り、徐々に精神的に参っていくところなんて、悲しすぎました。自業自得なのか?進みだした道は後戻りできないのか?

「癌治療の最前線にある者が、自らの癌を早期発見できず、手術不能の癌で死すことを心から恥じる」

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